2014年4月26日土曜日

米国ニューメキシコ州、謎の放射能漏れ現場に拡散する安全欠陥 @commondreams


【初出】2014425日 コモン・ドリームズ Common Dreams
謎の放射能漏れ現場に拡散する安全欠陥
Safety Failures Pervasive at Site of Mysterious Nuclear Leak
米国政府自体による報告書が事故を起こしたニューメキシコの放射性廃棄物投棄処分場における放射能放出にまつわる安全文化の劣悪化のあら探しをしている。
専従記者、サラ・ラザレ Sarah Lazare
核廃棄物隔離試験施設に入構するための準備をする作業員たち。今月はじめ、ニューメキシコ州カールズバッドにて。 (Photo: Associated Press)
「放射能漏れは想定されるはずがない」(WIPP leaks ‘should never occur’)とされていた連邦政府所有のニューメキシコ核廃棄物処分場における放射能の空中漏出の原因は、木曜日(424日)に公表された米政府自体による調査報告によれば、お粗末な管理、お寒い安全文化、構造上の欠陥にあった。
米国エネルギー省の事故調査委員会による302ページの報告書(PDF)によれば、ニューメキシコ州南東部に位置する核廃棄物隔離試験施設(WIPP)は、同施設を運営する請負業者、核廃棄物パートナーシップ(NWP)による「綿密」な内部安全対策の欠如によって損なわれていた。
報告書はさらにつづけて、NWPおよびエネルギー省カールズバッド現場事務所が「WIPPプロジェクトの安全文化が劣悪化するがまま放置し、その結果、作業員らは問題や危険について声をあげたり、文書に記録したりすることを『安心して』できなくなった」と告発する。「問いただすような姿勢を管理部門は迷惑がっており、施設職員らは多くの問題や危険要素を進んで認めるようには思われない」
調査員らは、214日に放射性粒子を空気中に放出しはじめ、少なくとも21人の作業員を被曝させ、近隣住民を不安に陥らせた漏出事故の原因が職員らにわかっていないと認定した。放射能放出は25日の地下火災につづいて起こっており、そのさい、施設総員が避難を余儀なくされ、6名の作業員らが煙の吸引に関連する傷害により病院に搬送された。
南西部調査情報センター(Southwest Research and Information Center)核廃棄物プログラム部長、ドン・ハンコックはコモン・ドリームズに、報告書はエネルギー省やその他の連中にとって痛手になるが、いくつかの肝要な疑問に納得できるほどには答えていないと語った
「たとえば、請負業者がどれほどの支払いを受けているのか、説明されていません。連中に仕事ができないとすれば、なぜその業者が選ばれたのか、そして、なぜわれわれ納税者がそのようなお粗末な仕事しかできない連中に金を払っているのか、彼らは説明していません」とハンコックはいう。
報告書はおまけに、漏れた放射性物質の半減期が短いと裏付けとなる正当な証拠もなしにほのめかしている、とハンコックは不満をいう。
彼は、放射能漏れがわかっていながら、作業員らが不適切な防護装備で現場に送り返されたという疑惑に触れて、「作業員21名がどのように汚染されたのか、なぜ連中はもっと詳しく説明しないのでしょうか?」と言い加えた。「エネルギー省の役人たちは作業員らの被曝レベルでは安全であるとはっきりいいましたが、内部放射線被曝患者医療を専門にしている医師で、この問題について公式に発言した者はいないのです」
米国内で唯一の放射性廃棄物深層地下投棄処分場であるWIPPは閉鎖されたままであり、WIPP施設の核廃棄物処理建屋に地上保管されている19回搬送分の放射性廃棄物をはじめ、米国中の放射性廃棄物が立ち往生している。
「この報告書は欠陥が満載です」とハンコックはいった。「しかも、元請けと管理の問題、監督の問題、劣悪な安全文化があっても、ニュースになりません。民衆はとっくの昔から、いいつづけているのです」
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本稿は、“Safety Failures Pervasive at Site of Mysterious Nuclear Leak” by Sarah Lazare, staff writer of Common Dreams の日本語訳です。
原文:http://www.commondreams.org/headline/2014/04/25-2
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