2016年3月28日月曜日

聯合ニュース【世界の潮流】トランプ発言で勢いづく韓国の核武装論


【ニュースの焦点】
トランプ発言で勢いづく韓国の核武装論

2016328

ソウル発328日【聯合ニュース】当地の観測筋は今日、米共和党の最有力候補、ドナルド・トランプ氏が韓国の核武装を許すと発言したことで、北朝鮮による脅威の拡大に対抗するため、韓国が核武装に踏み切る可能性に関する熾烈な論争をさらに煽っていると語った。

米国の不動産王は27日、ニューヨーク・タイムズ紙によるインタビューで、韓国と日本が北と中国に対抗するために核兵器を建造するなら、容認するのに「やぶさかでない」と語った。米国が「現在の弱気路線」を継続するなら、いずれにしても両国は核武装に走ると論じた。

アナリストらによれば、米国政界の大物が韓国の核武装化の可能性に言及したことは特筆ものであるという。だが、トランプ氏の発言は「シュールで大衆迎合的な」選挙向けレトリックに過ぎないと言って片付けた。

ソウル大学校・平和統一研究所のチャン・ヨンセク上席研究員は、「彼が韓国の核武装と米軍が朝鮮半島から撤退する可能性に言及したのは、まったく憂慮すべきことです」と述べたうえで、次のように語った――

「だが、それも、韓国が彼のいわゆる米国の高額の負担になる安全保障の傘に頼らずに、(おそらく核武装によって)軍事的に自立すべきだという米国の世論に迎合するときの中身のない発言にすぎないのかもしれません」

トランプ氏の発言がホワイト・ハウス入りをねらう過激な戦術の一環であるとしても、彼の姿勢は、韓国は核兵器を製造すべきだと主張したり、1992年の朝鮮半島非核化協定の発効の直前に半島から撤廃された戦術核兵器の再配備を米国政府に要請したりする勢力の後押しになる。

201621日、アイオワ州シーダーラピッズの選挙運動集会で、妻のメラニアさんを伴って登壇し、発現する共和党大統領候補、ドナルド・トランプ氏。(AP)

当地では、北朝鮮による1月の核実験、2月の長距離ロケット発射を受けて、核武装を求める声が復活した。

セヌリ党元代表の鄭夢準(チョン・モンジュン)氏、同党の院内総務、元裕哲(ウォン・ヨーチュル)国会議員[一院制]など、著名な政治家や学者が相次いで、韓国独自の核武装を要求してきた。

韓国の核武装を求める声は、米国による安全保障関与に対する懸念が高まるさなかに挙げられてきた。観測筋の一部は、米国が国際的な役割を縮小し、経費を削減する「支出抑制」政策のもと、半島における偶発事態において、米国は即時対応を躊躇する可能性があると指摘した。

当地の安全保障専門家は、北で進展する核の脅威と近隣諸国からの潜在的な脅威に対応するために、韓国は少なくとも「潜在的」核兵器配備能力を育成すべきだとして、事柄が微妙であることから匿名を条件に、次のように語った――

「わが国は核の選択肢を真剣に検討すべきであり、つまり、この土地における偶発事態の勃発に際して、核を使用するために、最短時間で核兵器を開発する能力を保持すべきです。

「われわれは、北からの潜在的脅威だけでなく、久しく領土紛争を繰り広げてきた核武装中国と日本からの潜在的脅威もまた考慮すべきです」

韓国の核の選択肢を支持する向きは、核保有国の地位を確保することによって、韓国は国家としての自尊心を強化し、強大な同盟国、米国との関係の均衡を改善し、従来型軍備に要する巨額の支出を削減することができるという。

しかしながら、反対派は、核武装の利点は、国際的な孤立から韓米同盟の解体にまでおよぶ「過重な代価」と比較されるべきであると強調する。

反対派は、韓国が核武装を選択するとすれば、米国が世界「非核化」宣言まで提案するほど熱心に大事にしている核不拡散条約(NPT)を台無しにすると特に強調していう。梨花(イファ)女子大学校で国際関係論を担当するパク・インフイ教授は次のように語った――

「今のところ、北朝鮮は、後に脱退したとはいえ、NPT体制のもとで核兵器を開発しようとした唯一の国です。

「インド、パキスタン、イスラエルは核兵器を追求しましたが、NPT加盟国ではありませんでした。いま、模範的な核不拡散国とみなされている韓国が、核兵器を追求するとすれば、NPT秩序に一撃を喰わせることになります」

パク教授はまた、「輸出経済国」である韓国が核武装に走れば、壊滅的な打撃となる国際制裁を課せられることになると付言した。輸出部門は、韓国の年間経済成長の約70パーセントに寄与している。彼はこういう――

「韓国経済は制裁による重圧に半年も耐えられません」

アナリストらによれば、韓国の核武装に対する制裁に、発電総量の約30パーセントを占めている国内の核反応炉23基の動力になる核燃料の輸入禁止も含まれることになるという。

中央大学校で国際政治論を担当するキム・タエヒュン教授は、韓国にとって、北朝鮮に対する米国の核抑止力を強化させるための圧力として核武装要求論を使うのが賢明であると語った。教授はこういう――

「韓国は国内で募っている安全保障に対する国民の懸念を和らげるために、米国に不可欠なアジアの同盟国を防衛するために、安全保障関与の信頼性を高めるための方策を探求するように米国に求めることができます」

【クレジット】

Yonhap News, “(News Focus) Trump's remarks fuel debate over S. Korea's nuclear armament,” posted on 2016/03/28 at;

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