2016年3月15日火曜日

☢#フクシマ5周年☢@EcoWatch【海外論調】「終わりの見えない」生態学的フォールアウト



BIODIVERSITY ENERGY NUCLEAR






フクシマの5年後
「終わりの見えない」生態学的フォールアウト

ディアドラ・フルトン Deirdre Fulton, Common Dreams
201635

日本の沖合で2011311日、巨大地震が津波を引き起こし、それが福島第一核発電所における装置の機能停止と放射性物質の放出をもたらした。この惨事は、唯一最大規模の放射能の海洋放出事故であり、世界史上で――チェルノブイリとともに――ただ2件のレベル7核事故のひとつだった。

2011年のフクシマ第一惨事による環境影響は、グリーンピース・ジャパンの新研究によれば、すでに明らかになっており、地域の人間、その他の生物にとって、生態学的なフォールアウトに「終わりはない」。

この報告は、影響――樹木の突然変異、虫類のDNA損傷、山地流域の放射能汚染など――が「数十年から数世紀」継続すると警告している。この結論は、福島県内の影響をこうむった各地で大規模に実施された独自の科学調査、ならびに過去5年間にわたり、グリーンピースの放射線専門家たちがおこなった研究から抽出されたものである。

グリーンピース・ジャパンのシニア・ニュークリア・キャンペイナー[核問題活動リーダー]、ケンドラ・ウルリッヒ氏は、「政府は壮大な規模の除染事業を実施しておりますが、フクシマ核惨事に由来する膨大な量の放射能が生態系におよぼしている脅威を削減する効果はほとんど望めないでしょう。すでに、900万立米を超える核廃棄物が、福島県各地の少なくとも113,000か所に分散して置かれています」と語った。

報告書“Radiation Reloaded: Ecological Impacts of the Fukushima Daiichi NuclearAccident 5 Years Later”[放射能再来~フクシマ第一核事故5年後の生態学的影響]によれば、調査結果は次のとおり――

·         高レベル放射能が新葉に、そして少なくともスギの場合、花粉に蓄積。

·         放射線レベルが高くなるほど、モミの生育異常が明らかに増加。

·         高レベル汚染地域において、ヤマトシジミ蝶の個体群に遺伝変異、虫類にDNA損傷、そしてツバメの生殖能力に明白な減退。

·         4年間にわたる調査の結果、高レベル放射線にともない、鳥類57種の生息数が減少。

·         商業的に重要な淡水魚に高レベルのセシウム蓄積、最大限に重要な生態系のひとつ――海岸河口域――に放射能汚染。


この報告書は、安倍晋三首相の日本政府が、汚染地域の再定住、そしてまた危機の余波で閉鎖されていた国内の核反応炉の再稼働を推進しているさなかに公開された。

 しかしながら、ウルリッヒ氏は、「安倍政権は、核事故の発生から5年たって、状況は正常に戻りつつあるという神話を延々と説き聞かせています。これは政治家の美辞麗句であっても、科学の事実ではないと、証拠が暴露しています。そして、被災者にとって不幸なことに、この説教によって、放射線レベルがいまだに余りにも高く、猛烈な汚染に取り囲まれた環境のなかへ帰還しても、安全であると告げられていることになります」という。

グリーンピースによれば、安倍政権だけでなく、国際原子力機関(IAEA)もまた、除染と生態系リスクについて、「言語道断の決め付け」をしているという。報告書は正しく、IAEAが採用している方法に不備があり、これでは、フクシマ核惨事で予測される生態学的影響はないという「根拠のない結論」になってしまうと主張している。

グリーンピース・ジャパンは昨年9月、IAEAを攻撃し、進行中の惨事を正常化するという日本政府の政治スケジュールを支えるために、核メルトダウンによって継続している、環境および健康に対する影響を「過小評価」していると糾弾した。

一方、憂慮する科学者同盟(UCS)は33日、米国原子力規制委員会(NRC)もまたフクシマ核メルトダウンの教訓から学んでいないと批判した。UCSは、その報告“Preventing an American Fukushima”[アメリカ版フクシマを防止する]において、核事故から5年後になっても、NRCは「未熟な」改革を履行しながら、「米国における核発電所の安全対策を改善するのに、不十分な前進しか示していない」と述べている。

UCSはさらに、「当局はあまりにも頻繁に、本質そのものからして、強制力のない自主的なガイドラインに頼ることを企業に許すことによって、国の監視機関としての責任を放棄した」という。

UCS主任科学者であり、2014年刊の書籍“Fukushima: The Story of a Nuclear Disaster”[フクシマ~核惨事物語]である報告執筆者、エドウィン・ライマン氏は、「NRCと核産業は、フクシマ核惨事で明らかになった安全上の脆弱性の一部に対処する措置を講じた」と認めた。「だが、現状では、当局はフクシマの教訓を完全には学んでいない。すべて白紙に戻して、納得できる正当化もできないまま、却下してしまった決定的に重要な安全勧告を再考する必要がある。核発電所から50マイル圏内に居住する1億人あまりのアメリカ国民の健康と安全がこれに左右される」。

核にNo! 再生可能エネルギーにYes! 署名 ⇒ https://t.co/1cDswgjmjj

【クレジット】

Ecowatch.com, “5 Years After Fukushima, ‘No End in Sight’ to Ecological Fallout,” by Deirdre Fulton, posted on March 5, 2016 at;

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