2015年7月24日金曜日

クリスチャン・サイエンス・モニター「フクシマの突然変異マーガレットは、奇蹟か? 警告か?」

フクシマの突然変異マーガレットは
奇蹟か? 警告か?

4年前にメルトダウンをこうむった福島第一原発の近くで、奇妙で不思議な花が咲いている。

リサ・スヘイ Lisa Suhay, Correspondent 2015723

John Nordell / The Christian Science Monitor
あなたの庭のマーガレットが幻覚的なドリームスコープ映像フィルターを通したように見えたり、ユリノキが斑点だらけの葉を生やしたりすれば、環境毒物の心配をするべきなのだろうか?

日本の那須塩原市の住民が奇形化したマーガレットの画像を投稿しており、一部の人たちはそれがそれが2011年の福島第一原発メルトダウンに関連しているかもしれないと信じている[リンク]。

樹木と花は、炭鉱のカナリア自然界版、周囲の環境に毒物が存在していると――大きさ、形状、色、分裂、あるいは結合の形で――警告してくれる働きをすることがある。

あるいは、これはホルモンの不均衡のためにすぎないのかもしれないと、ニューヨーク植物園の園芸担当副園長、トッド・フォレスト氏は面接取材に応えていう。フクシマの近くで出現する、かなりありきたりの奇形は、不規則変異、虫害、病気、あるいは植物体の物理的傷害によってさえ、たやすく引き起こされるのかもしれないと彼は語る。

つまり、フォレスト氏によれば、二重になった花は環境保護局(EPA)に電話する理由にならない。

「帯化は比較的普通におこる現象です」と彼はいう。Fasciation)とは、帯状化や束状化を表す専門用語であり、花軸が平たくなったり、広がったり、あるいは結合したりする――グロテスクなこともあれば、みごとに面白いこともある――結果になる。

「環境に現存する放射線は、妥当な説明になりますが、必ずしもこの現象の唯一の説明ではありません」と、フォレスト氏は述べる。

Pinterestの人気サイト、Fukushima Diaryは、二重化したマーガレット、バラ、ヒマワリを紹介しており、マーガレットの画像がたくさん掲載されている。

フクシマ立入禁止区域のバラ http://fukushima-diary.com/
Eireann  
1873


植物の帯化という異常成鳥の写真。損傷や突然変異のために植物が平たいリボン状に育つ。とても興味深い!
Jonathan Windham
Horticulture


[写真]那須塩原市の奇形化した「シャスターデージー」。地上1mにおいて0.5 μSv/h
Viviane Laroy
Quotes Causes


他の国ぐにの会員たちもFukushima Diaryサイトに掲載されている同じような花の突然変異の画像を投稿しているが、放射線の証拠としてではなく、驚異を楽しんでいるのである。

テンニンギクの花。このテンニンギクにとても魅せられた。わたしの庭にこのような創造物が育つ祝福! 奇形であっても…ビックリ!
Yoly BrownIn
the Garden

フォレスト氏は、放射線、環境毒物、地球温暖化、ヤママツカブトムシのような外来園芸害虫、葛(クズ)のような侵略性植物など、多様なストレス要因が草や樹木の変異源になりうると述べた。

「庭園に育つ植物は周囲の環境に反応していますし、環境の変化は…局所的であったり、地域的であったりしますが、ときには地球規模のものであったりもします」と、フォレスト氏はいう。

フォレスト氏は、「わたしたちが庭園で汚染の影響を目撃していることには、疑問の余地がありません」と言い添えた。彼は、ご自身が住むニューヨークの格別な問題として、オゾンと二酸化硫黄をあげる。

ノーフォーク・サザーン鉄道の石炭桟橋が地域や住宅の庭園の炭塵と重金属汚染の出処だといわれており、シエラ・クラブのノーフォーク地区代表、ジョー・クック氏は最近、検査を要請した。

クック氏は、「わたしたちは、みなさんの庭園が非常に雄弁だと信じています。人びとに対する影響を目にする前に、植物に影響が現れると見ているのです」と本紙に語った。

じっさい、樹木は草花よりも実効的に環境毒物の影響を示すかもしれないとフォレスト氏はいう。

「樹木は長期間をかけて成長し、年ごとの変化を観察できますので、わたしは樹木に注目します」と、彼はいう。「1年草は奇妙に育つかもしれませんが、翌年、また育てると、今度が問題がなかったりします」。

彼がいうには、ニューヨーク植物園で「100万株の収蔵植物が育てられており、わたしたちはいつも異常だったり想定外だったりするものを目にしています…とりわけ、感受性のとても高い針葉樹類の老木に二酸化硫黄とオゾンの結果が目につきますし、ユリノキ、その他の落葉樹種でさえ、葉に斑点ができたりします」。

濃縮した汚染物質は「間違いなく」住宅庭園に影響をおよぼすが、園芸愛好家は微妙な変化に気づくユニークな立場にあると彼はいう。

「たいがいの人は身の回りで育っている植物を、ほんとうの意味では意識していません」とフォレット氏はいう。「園芸家は自分の植物をじっさいに意識していますし、園芸の門外漢より先に、こうした変化に気づけることが多いのです」。

【クレジット】

本稿は、公益・教育目的の日本語翻訳稿。

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