2015年7月22日水曜日

韓国英字紙コリア・ヘラルド【社説】日本の安全保障法制…不安と期待が入り混じった隣国の眼差し

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【社説】日本の安全保障法制
2015719

安保法制のなりゆきは、韓国にとって錯綜した意味合いを帯びている

日本の安倍晋三首相は、議会内外で盛りあがる反対にもかかわらず、物議を招いている安全保障法制の成立に向かう道に固執している。

安倍氏の自由民主党と、その連立与党である公明党は715日、衆議院で一方的に法案を採択した。法律が成立するためには、参議院で可決される必要がある。

安保法制の中核的な意図は、日本の集団的自衛権行使を合法化することであり、これによって、日本は自国が攻撃されていない場合でも、同盟諸国とともに戦う権限を得ることになる。

安倍氏は根っからの国家主義者であり、彼のいわゆる日本の軍事的姿勢の正常化を推し進めてきた。だが、人気のない法案に対する彼の断固とした推進姿勢には、政治的コストがともなっている。

日本の大手紙が先週末に実施した世論調査によれば、安倍政権の支持率は39パーセントに下落しており、不支持率の42パーセントを下回っている。軍事政策の転換に賛成しているのは、回答者の26パーセントだけであり、反対と答えたのは56パーセントである。

日本の憲法学者の90パーセント近くが、安保法案は国の平和憲法に背反していると主張しており、東京で数万人の人びとが安保法案の採択に抗議する集会に参加した。

安倍氏の支持率下落は、1960年に米国との安全保障条約を支持した結果、強硬な反発を浴びて総理大臣の職を辞した彼の祖父、岸信介氏の政治的動向を彷彿とさせる。

安倍氏は今月はじめ、彼の祖父の事例をあげ、日本の軍事的役割を増強する努力は歴史によって正当化されると述べた。彼は、いま国民の大多数が米日安全保障条約の改定を支持していると指摘した。

歴史の審判は、時の経過を待たねばならない。しかし、安倍氏の場合、彼の祖父と違って、退陣を余儀なくされるようではない。

日本の近隣諸国は、安保法案が法制化される9月の党大会において、安倍氏が自民党総裁に再選され、したがって首相に指名される見通しに備える必要がある。

韓国は16日の声明で、事前承認なしの朝鮮半島における日本の軍事行動を容認できないと再確認した。

韓国政府は今後の数か月間、日本政府と綿密な協議をおこない、北朝鮮に対する日本の軍事作戦にさいしても、事前承認を要することを確認する必要がある。

韓国政府はいま、日本の安全保障法制に対して精緻な戦略的アプローチを採ることが求められている。

20世紀初頭に半島を植民地にした日本の過去の軍国主義にまつわる記憶が残っているにもかかわらず、対米同盟の枠内で日本の軍事的役割を拡大する安倍氏の動きは、北朝鮮による挑発を抑止するうえで役立つだろう。

安倍氏の動きは、その一方、中国政府が同国の勢力拡大に対する抑制力としてみる米日同盟の強化に対して韓国が一層緊密に連携することによって、中国の警戒を高めるかもしれない。

韓国政府当局者らはこのような状況のもと、北朝鮮の核兵器およびミサイル開発計画を抑制するように中国を説得する余地を見つけるかもしれない。

【クレジット】
The Korea Herald
[Editorial] Japan’s security legislation
本稿は、公益・教育目的の日本語翻訳稿

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