2015年4月30日木曜日

NHKが森林火災による放射性物質拡散の恐れに言及!…ただし、国内向けではなく、NHK WORLD News





チェルノブイリ立入禁止区域で森林火災
2015429
0:00
ウクライナ、チェルノブイリ原発周辺の封鎖地区で森林火災が勃発しました。火災が発生したことで、森林の放射性物質が拡散するかもしれないと不安が募っています。

0:12
火災がはじまったのは、4月26日のことです。ウクライナ内務省は、火が4平方キロに拡がり、原発から20キロの地域に達したと述べました。内務省は、放火の可能性があるともいっています。数か所から火が出たと信じられています。

0:29
アルセニー・ヤツェニュク首相は200人の消防隊が消火にあたっていると述べました。首相は、この火災は1990年以降で最大規模のものだが、状況はコントロールされているともいいました。

040
ヤツェニュク首相は、バックグラウンド放射線レベルの変化は検出されていないとも付け加えました。

0:45
1986年にチェルノブイリ原発の原子炉1基が爆発し、膨大な量の放射性物質を大気中に放出しました。惨事のあと、原発から半径30キロの地域を立入禁止区域とすると宣言されました。
【関連記事】
2015410日金曜日

ヨーロッパでチェルノブイリ立入禁止区域内の森林火災が恐れられ、 福島県では、環境省お薦めの廃棄物焼却炉が乱立



2015年4月29日水曜日

論文「バックグラウンド放射線と小児癌リスク」~ 国勢調査にもとづくスイス全国コホート研究

[上記Tweet]
本稿で翻訳した論文の解説ビデオ日本語訳テキストです。
リンク: http://t.co/0T0UnXejJz
[訳者注]
上掲ツイートでも紹介しました、ここに日本語訳を掲載する論文の内容と意義について、下記サイトの記事が非常にわかりやすく解説していますので、ぜひお読みください。

SWI swissinfo.ch
 




10カ国語でスイスのニュース

子どもの低線量被曝



ENVIRONMENTAL HEALTH PERSPECTIVES









【ライセンス】本論文オリジナルはオープン・アクセス条件で公開されていますので、この日本語版も転載などの利用が自由にできます。ただし、オリジナルとこの日本語版の出処の明示をリンク付きでお願いします。
訳者、井上利男
License: The original of this study is open access, so you can freely copy this Japanese translated version. The translator requests you to specify both sources, together with their links, of the original and this Japanese version.
Toshio Inoue, the translator



CHILDREN'S HEALTH

Environ Health Perspect; DOI:10.1289/ehp.1408548

バックグラウンド電離放射線と小児癌リスク
国勢調査にもとづくスイス全国コホート研究

スイス小児科腫瘍学グループ、
スイス全国コホート研究グループ――
ベン・D・シュピヒャー Ben D. Spycher,1 
ジュディス・E・ルパッチュJudith E. Lupatsch,1 
マルセル・ツワイン Marcel Zwahlen,1 
マーティン・ルースリ Martin Röösli,2,3 
フェリックス・ニグリ Felix Niggli,4
ミシェル・A・グロツァ Michael A. Grotzer,4 
ヨハネス・リシェウスキ Johannes Rischewski,5 
マティアス·エガー Matthias Egger,1 and
クラウディア・E・クルーニ Claudia E. Kuehni1 

著者らの所属先
1スイス、ベルン、ベルン大学・社会予防医学研究所(ISPM
2スイス、バーゼル、スイス熱帯・公衆衛生研究所
3スイス、バーゼル、バーゼル大学
4
スイス、チューリッヒ、チューリッヒ子ども病院大学・腫瘍学部
5スイス、ルツェルン、ルツェルン州立病院・子ども病院・腫瘍・血液科

連絡先: Ben D. Spycher, Institute of Social and Preventive Medicine (ISPM), University of Bern, Finkenhubelweg 11, CH-3012 Bern, Switzerland. Telephone: +41 31 631 56 97. E-mail: ben.spycher@ispm.unibe.ch

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http://dx.doi.org/10.1289/ehp.1408548

受付:2014411日 受諾:2015128日 公開:2015223

標題:Background ionizing radiation and childhood cancer(「バックグラウンド電離放射線と小児癌」)

謝辞:本研究は、スイス連邦公衆衛生局、スイス癌連盟、スイス癌研究、スイス全国科学財団からご支援いただいた。BD・シュピヒャーはスイス全国科学財団奨学金のお世話になった。スイス小児癌登録の活動は、スイス小児科腫瘍学グループ(www.spog.ch)、スイス州政府保険局長協議会(www.gdk-cds.ch)、スイス癌研究(http://www.krebsforschung.ch)、スイス癌の子どもたちを支える会(www.kinderkrebshilfe.ch)、アーンスト・ゲナー財団、ドマレナ財団、国立癌疫学・登録研究所(www.nicer.ch)に支えられている。スイス小児科腫瘍グループ科学委員会の委員諸氏は次のとおりである――R. A. Ammann (Bern), R. Angst (Aarau), M. Ansari (Geneva), M. Beck Popovic (Lausanne), E. Bergstraesser (Zurich), P. Brazzola (Bellinzona), J. Greiner (St. Gallen), M. Grotzer (Zurich), H. Hengartner (St. Gallen), T. Kuehne (Basel), K. Leibundgut (Bern), F. Niggli (Zurich), J. Rischewski (Lucerne), N. von der Weid (Basel) The members of the Swiss National Cohort Study Group: F. Gutzwiller (Chairman of the Executive Board), M. Bopp (Zurich), M. Egger (Chairman of the Scientific Board), A. Spoerri (Bern), M. Zwahlen (Bern), N. Künzli (Basel), F. Paccaud (Lausanne), M. Oris (Geneva)

利益背反:著者らは利益背反を有しないと宣言する。

概要

背景:中・高線量の電離放射線による被曝は、子どもたちの癌のリスク要因として知られている。自然線源による低線量放射線が小児癌リスクに寄与する程度は未解明のままに残されている。

目的:われわれは国勢調査にもとづくコホート*研究を実施し、小児癌発症率が地殻ガンマ線および宇宙線によるバックグラウンド放射線と相関しているのか、その妥当性を検証した。
*[訳注、以下同じ]調査・研究の対象とする、年齢・職業などある属性を同一にする集団。

方法:1990年および2000年の国勢調査時点で16歳未満だった子どもたちを研究対象にした。追跡調査期間を2008年までとし、スイス小児癌登録によって関連する癌患者を特定した。居住地における地殻および宇宙からの放射線による線量率*を推測するために、放射線モデルを使用した。癌リスクと線量率および誕生時以降の累積線量の相関性を評価するために、コックス回帰モデルを使用した。
  *単位時間当たりに物質に吸収または照射される放射線の量。

結果:国勢調査に記録された子どもたち2,093,660名のうち、白血病が530人、リンパ腫が328人、中枢神経系(CNS)腫瘍が423人の子どもたちを含む1,782人の癌症例が特定された。外部放射線の累積線量が1 mSv増加する場合の危険率は、全癌で1.0395%信頼区画〔CI〕:1.01, 1.05)、白血病が1.041.00, 1.08)、リンパ腫が1.010.96, 1.05)、中枢神経系腫瘍が1.041.00, 1.08)だった。一連の潜在的交絡因子*による補正を施したが、結果にほとんど影響しなかった。
* 従属変数と独立変数の相関になんらかの影響をおよぼしうる外部因子

結論:われわれの研究は、バックグラウンド放射線が子どもたちの白血病とCNS腫瘍を含む癌リスクに寄与している可能性を示唆している。

序論

電離放射線は周知の癌リスク要因である(UNSCEAR* 2006)。一定の放射線量に対して、子どもたちの癌リスクは成人に比べて大きい(UNSCEAR 2013)。電離放射線は、子どもに最も一般的な癌の2タイプ、小児白血病と中枢神経系(CNS)腫瘍の唯一実証されている環境リスク要因である(Belson et al. 2007; Wiemels 2012; Wrensch et al. 2002)。子どもたちに対する電離放射線の発癌作用の証拠は、主として原子爆弾や放射線治療による中線量または高線量の被曝に関する研究によって提示されている(Wakeford 2013; Wrensch et al. 2002)。これらの研究対象の母集団で観察された線量反応関係が、放射線診断または自然バックグラウンド放射線によるものなど、もっと幅広い低線量領域の被曝の場合でも成立するのか、その当否はまだ解明されていない(Wakeford 2013)。
  * 「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」

自然バックグラウンド放射線は普遍的に存在し、たいがいの人にとって、放射線被曝の主だった線源である(UNSCEAR 2000)。これの約3分の1は宇宙線と地殻ガンマ放射線に由来し、残りは(主として屋内のラドンの)吸引と放射性核種の摂取によるものである(UNSCEAR 2000)。ラドンによる実効線量*は基本的に呼吸系に届き、地殻ガンマ線と宇宙線は、白血病が発症する基本部位、赤色脊髄に届く線量の大部分を占める(Kendall et al. 2009)。スイスでは、中央アルプス山系の結晶質岩石の放射能レベルが、堆積層である北アルプス前縁(ジュラ紀のモラッセ海盆)に比べて高いので、バックグラウンド放射線による住民母集団の被曝レベルがかなりばらついている(Rybach et al. 2002; Rybach et al. 1996)。
  * 放射線被曝による個人の確率的影響のリスクの程度を表す線量概念

小児癌リスクと地殻ガンマ線および宇宙線によるバックグラウンド電離放射線に関する先行研究は、たいがい生態学によるものだった。これらの研究の結果は、さまざまだった。その大半は相関性の証拠をほとんど、あるいはまったく示さず(Auvinen et al. 1994; Evrard et al. 2006; Mason and Miller 1974; Muirhead et al. 1992; Richardson et al. 1995; Tirmarche et al. 1988)、他のものも正比例関係を示すものもあれば(Hatch and Susser 1990; Knox et al. 1988)、逆比例関係を示すものさえあった(Frigerio et al. 1973)。今日まで、個別データを使った研究は数少ない(Axelson et al. 2002; Kendall et al. 2013; UKCCS Investigators 2002b)。子どもたちの住宅でおこなった測定のデータを使った英国の研究では、相関性の証拠が見つからなかった(UKCCS Investigators 2002b)。最近、記録にもとづく英国の症例対照研究が、小児白血病の場合、累積ガンマ線量がリスクを高める証拠を見つけたが、他のタイプの癌では見つからなかった(Kendall et al. 2013)。

先行研究による証拠が限られていたり、相反するものだったりするので、われわれは全国規模のコホート研究をおこない、宇宙および地殻線源による外部電離放射線と小児癌発症率およびスイスにおける主だった診断病名グループの相関性を検証することをめざした。母集団全体について、国勢調査時点の地理コード化された居住地点データが利用可能であり、被曝評価のためには、地殻ガンマ放射線の分離成分と宇宙放射線の直接電離成分の空間モデルを使った。症例は、スイス小児癌登録(SCCR)によって特定した(Michel et al. 2008)。

方法

母集団

われわれの研究は、16歳未満でスイスに在住している子どもたちの母集団を対象にしていた。これらの子どもたちに関するデータは、地理情報化された居住地点と併せて、1990年と2000年の国勢調査の時期に収集され、人口動態情報と社会経済情報はスイス全国コホート(SNC)で取得した(Bopp et al. 2009)。SNCとは、種々の国勢データ、死亡・移動記録を組みこみ、全国規模で個人記録を連結した研究公共基盤である。この記録連結機能によって、2回の国勢調査に登録した個人全員の追跡時間の計算が可能になる(Bopp et al. 2009; Spoerri et al. 2010)。出生時体重と誕生順位は、全国出生登録との記録リンケージによって取得した。居住地が不詳だったり、あやふやだったり、100メートル以内の地理特定ができなかったりした子どもたちは除外した。

小児癌の症例はスイス小児癌登録(SCCR)によって特定した。SCCRは、1985年以降にスイスで診断を受けた16歳未満児の癌症例の90%以上を把握していると推測される完成度を有している(Michel et al. 2008)。われわれは国際小児癌分類・第3版(ICCC-3)にもとづいて分類される癌の全症例を対象にした(Steliarova-Foucher et al. 2005)。SCCRは患者の居住地履歴を診断時から誕生時に遡って収集しているので、国勢調査時点の居住場所を知ることが可能になった。住所は、スイス郵便システムの地理情報化建屋住所一覧を利用するか、あるいは連邦地勢局(swisstopo)がgeo.admin.chで維持するオンライン・サービス「地図閲覧サイト」を使って手作業するかして、地理コード化した。われわれは確率的記録リンケージ(カナダ統計局G-LINK 2.3)を使って、性別、誕生日、両親の誕生日、国勢調査時の地理コード化居住地、国勢調査時および誕生時の居住市町村、国籍という変数要因にもとづき、症例をSNCに記録された子どもたちと結びつけた。この研究は登録データにもとづいており、インフォームド・コンセントは必要なかった。SNCはベルン、チューリッヒ両州倫理委員会と連邦データ保護局(http://www.edoeb.admin.ch/?lang=en)に認可されている。

解析対象の癌

解析対象は、主だった診断範疇、すなわち全癌(全ICCC-3診断グループ)、白血病(ICCC-3診断グループⅠ)、急性リンパ性白血病(ALL)(Ⅰa)、リンパ腫(Ⅱ)、悪性と良性の腫瘍、また頭蓋内と脊椎内の腫瘍を含む中央神経系(CNS)(Ⅲ)に絞った。われわれはまた、残りのICCC-3診断グループ(Ⅳ~Ⅻ)をすべて含む他の悪性腫瘍も解析した。

被曝線量評価

われわれは外部バックグラウンド放射線による被曝を、先立って開発されていた被曝モデル(Rybach et al. 2002; Rybach et al. 1996)にもとづいて、子どもたちの家で宇宙と地殻の線源から受ける総線量率として見積もった。これは、2 km×2 km区切り枠の総線量率を単独で見積もった3成分、すなわち宇宙放射線による直接電離成分、自然地殻ガンマ放射線、人為的な地表放射線の合計値として見積もるものである。自然地殻成分は、空気中ガンマ光線の分光分析(国土表面の約10%がヘリコプターで測定されている)、現場ガンマ光線の分光分析(166地点)、電離箱を使った現場線量率の測定(837地点)、612地点で採取した岩石・土壌試料の研究室測定の結果を合算したものである。測定の時期は1960年代はじめから1990年代中期までの期間にわたっている。空気中測定値に加えて、合計1,615地点の地表データが利用可能であり、これは25 km2あたり1地点にほぼ対応している。モデルは、たとえば、積雪や太陽活動など、自然放射線の一時的変動要因を計算に入れていない。人為的な地表成分は、主にチェルノブイリ事故によるセシウム137の堆積を反映しており、1987年以降におこなわれた空気中および現場の測定にもとづいている。地殻成分の単位区画線量率は、探索半径を12 kmとした距離反比例法を使って、入手可能なデータ地点のものを利用した。測定と校正に関する詳細事項は他の論文に示されている(Rybach et al. 1996)。

潜在的交絡因子

われわれが考慮した潜在的交絡因子は次のとおりである――交通関連の大気汚染(直近の高速道路からの距離で代用)、ラジオ・テレビ送信機の電磁場(Hauri et al. 2014)(地理モデルにもとづく電磁場の強度)、高圧送電線の電磁場(直近の380 kVまたは220 kV送電線までの距離)、市町村の市街地化の程度(市街地、市街地外縁、農村地域)、スイス地域別社会経済状態一覧(Swiss-SEP)にもとづく社会的・経済的地位(Panczak et al. 2012)、世帯主の教育レベル(初等、中等、高等)、居住密度(1室あたりの居住人数)、子供の出生時体重と誕生順位。

統計解析

われわれは子どもの年齢を基本時間スケールとして、事象解析時までの時間内の総線量率を算出し、それによって小児癌発症率を研究した。追跡期間は子どもが記録された最初の国勢調査のとき(コホート組み入れ時)にはじまり、診断、死亡、外国移住、子どもの16歳の誕生日、20081231日の管理終了のうち、最も早くできごとが起こったときに終わった。被曝は国勢調査に書き込まれた居住地にもとづいていた。2回の国勢調査の両方に登場し、2000年に居住地が1990年と異なる子どもの場合、その子どもが2000年国勢調査以前に新しい居住地に5年間住んでいたのか否か(国勢調査質問票の情報)によって、1990年時点の被曝線量が1995年か2000年に更新された。国勢調査母集団の1%より少ない範疇が出ない二次再編成として、総線量率を50 nSv/h*定間隔で区切った。その結果、「100未満」、「100以上~150未満」、「150以上~200未満」、「200以上」(単位:nSv/h*)の範疇になった。われわれはコックス比例ハザード・モデルを用いて、それぞれの範疇の危険率(HR)を見積もった。すべてのモデルは性別と誕生年で補正され、個別モデルでは、他の潜在的交絡因子で補正した。われわれはまた、線形被曝ラインを用いて傾向解析をおこなった。われわれは住居移動に起因する誤分類の潜在的影響を探るために、事象解析の対象期間を、コホート組み入れまで居住地が一定である子どもたちのものに限定し、その条件を、組み入れ時にそれ以前の5年間は同一住居にいたと伝えられ、あるいはこのデータが欠落していた場合(たとえば、子どもの年齢が国籍調査時に5歳未満であった場合)、誕生時に同じ市町村に住んでいたと伝えられる子どもたちと定めた。
* nSv/h:ナノシーベルト/時。ナノは10億分の1
50 nSv/h = 0.05μSv/h, 200 nSv/h = 0.2μsv/h.

われわれは線量率の代わりに累積線量を使って、傾向解析を繰り返した。累積線量は、線量率に誕生時からの時間を積算して算出した。この解析をおこなうために、発症の時点でリスクがあった子どもたちのなかから事例ごとに100人の対照群を無作為に標本抽出して、コホート内症例対照データセットを作成した。われわれは次に累積線量を計算し、条件付けロジスティック回帰モデルの条件を症例対照群に適合させた。この手順はコホート全体を用いるコックス比例ハザード回帰と漸進的に同じになっていく。すべての解析はスタータ12.1版(米国テキサス州、StataCorp)を使って実施された。

結果

研究母集団の特性

1990年の国勢調査時から2008年末までに診断を受けたスイス小児癌登録(SCCR)の適格患者3,502人のうち、1,782人が事象解析の期間に含めることができて、そのうちの1,311人が居住地の一定している子どもたちの下位コホートに属していた(図1*)。これに含まれる適格症例の診断の分布を補足資料の表S1に示す。下位コホートの症例は国勢調査時の診断を必要条件としないので、診断時年齢が高くなる傾向があり、したがって適格症例全体に比べて、白血病の症例が若干少なく、リンパ腫と中枢神経系(CNS)腫瘍の症例が若干多い。
* 図表類は本稿末尾にまとめて掲載。

スイス全国コホート(SNC)は、国勢調査時に16歳未満だった子どもたちを2,129,264人記録していた。このうちの34,371人は住所不詳のために除外され、1,233人は(たいがい、国勢調査時以前に診断を受けたSCCR症例に関連していたので)人・年に寄与しておらず、2,093,660人(98.3%)が事象解析の期間のものとして残った。この子どもたちの平均年齢は、コホート組み入れ時、すなわち最初に国勢調査で登録されたときに7.0歳だった。この子どもたちが追跡された期間は平均して7.7年間であり、人数とリスク期間を乗算すれば、161万人・年になった。47,119人(全追跡対象の2.6%)の子どもたちの追跡期間は、外国移住または死亡をもって終わった。コホート組み入れ時において、外部バックグラウンド放射線の平均線量率は109 nSv/h(中間値103 nSv/h、範囲55393 nSv/h、四分位範囲95112 nSv/h)であった。寄与分を平均すれば、自然地殻放射線が54 nSv/h、宇宙放射線が45 nSv/h、人為的地表放射線が8 nSv/hだった。被曝変動性の観点でいえば、自然地殻放射線が最も顕著であった(補足資料、表S1)。表1は、コホート組み入れ時の母集団の、総外部バックグラウンド放射線量の範疇に照らした他の特性を示している。高レベルに被曝した子どもたちは、低レベルのグループに比べて、農村地域にいて、社会的・経済的地位(SEP)の低い地区で暮らしている傾向がある。たとえば、200 nSv/h以上の線量率の被曝をした子どもたちの53%は、100 nSv/h以上の子どもたちの26%に比べると、最低のSEP三分位範疇に属していた。高レベル被曝の子どもたちはまた、高速道路と高圧送電線および放送発信機の電磁場の影響をより強く受けている傾向があった。

小児癌と線量率の相関性

2と表3および図2は、線量率を被曝量として用いた解析の結果である。200 nSv/h以上の線量率で被曝した子どもたちのリスクは、全癌が(危険率HR1.64, 95%信頼区画CI1.13, 2.37)、白血病が(HR = 2.04, 95% CI: 1.11, 3.74)、リンパ性白血病が(HR = 2.12, 95% CI: 1.09, 4.16)、中枢神経系腫瘍が(HR = 1.99, CI: 0.98, 4.05)であり(表2)、そのいずれにおいても、100 nSv/h未満の被曝をした子どもたちより著しく増大していたことが判明した。中レベル被曝の場合、危険率は1に接近する傾向があった。潜在的交絡因子による補正を施しても、結果が実質的に変わることはなかった(補足資料、図S2)。線形被曝ラインを用いた傾向解析において、線量率が100 nSv/h増加するごとの危険率は、1に接近しているリンパ腫を除いて、すべての診断グループで1.2から1.4のあいだであった。低い方の信頼限界が1を超えていたのは、全癌(HR = 1.27, 95% CI: 1.06, 1.52 per 100 nSv/h)の場合だけであった(表3、図2)。コホート組み入れ前の居住地が一定であった子どもたち(コホート全体の66.5%)に解析を限定した場合、影響見積もりが若干高めに出たが、同じような結果になった(補足資料の表S2;表3)。

累積線量を用いた傾向解析

低い方の信頼限界が1を超えたのは、全癌(HR = 1.27, 95% CI: 1.06, 1.52 per 100 nSv/h)の場合だけであった。コホート組み入れ前の居住地が一定していた子どもたち(コホート全体の66.5%)に限定して解析をおこなったところ、影響評価が若干高まったものの、同じような結果が得られた(補足資料の表S2、表3)。

累積線量による傾向解析

スイスにおける全国規模の国勢調査にもとづく、このコホート研究の結果、200 nSv/h以上のバックグラウンド電離放射線の外部線量率に被曝した子どもたちの癌リスクが、100 nSv/h以下の被曝をした子どもたちに比べて増大する証拠が見つかった。傾向解析によって、誕生してから受けた累積線量により、すべてをひっくるめた癌、そして白血病と中枢神経系腫瘍のリスクが増大することが示された。

中線量または(100 mSvを超える)高線量の電離放射線による急性被曝の小児癌リスクに対する影響は明確に実証されているが、持続的な低線量放射線被曝の影響を示す証拠はいまだに少ない(Wakeford 2013)。原子爆弾の被爆者などの高リスク集団および医療用放射線で被曝した集団を対象にした研究では、20歳未満の年齢で被曝した対象者の白血病および中枢神経系腫瘍の相対リスクがSvあたり、それぞれほぼ5~8および2~5程度になると報告されている(UNSCEAR 2013)。若年期に被曝した人たちの場合、被曝から少しあとの白血病の推定相対リスクは、Svあたり50を超える(UNSCEAR 2013; Wakeford 2013)。原子爆弾の被爆者で観測されたリスクを尺度にしたモデルをもとに推定して、自然バックグラウンド放射線に起因する小児白血病症例の過剰部分は、フランス(Laurent et al. 2013)と英国(Little et al. 2009)で最大20%に達すると見積もられてきた。しかしながら、このような推計には重大な不確実性がつきまとっている。

英国で最近、登録にもとづく症例対照研究が公開され、これは27,447症例(そのうち、白血病が9058症例、中枢神経系腫瘍が6585症例)と対応対照の36,793事例を対象としており、誕生時以降の屋内累積被曝線量が1 mGy増加するごとの相対リスクについて、全小児癌が1.03 (95% CI: 1.00, 1.07)、白血病が1.09 (95% CI: 1.02, 1.17)、急性リンパ性白血病が1.10 (95% CI: 1.02, 1.19)、リンパ腫が1.01 (95% CI: 0.93, 1.09)、中枢神経系腫瘍が1.02 (95% CI: 0.96, 1.08)であることを認めた(Kendall et al. 2013)。小児癌の希少性を考えて、われわれの研究で見つけた屋外放射線の累積線量におけるmSvの増加による危険率(表4)をリスク率と解釈することができる(Symons and Moore 2002)。建物の遮蔽効果による線量削減を20%であると仮定すれば(UNSCEAR 2000)、われわれのデータにある1 mSvの累積線量によって推測される差異は屋内における0.8 mSvの差異になり、表4の第1列にあげられた結果は、全小児癌が1.03 (95% CI: 1.01, 1.06)、白血病が1.05 (95% CI: 1.00, 1.10)、リンパ性白血病が1.05 (95% CI: 0.99, 1.11)、リンパ腫が1.01 (95% CI: 0.96, 1.07)、中枢神経系腫瘍が1.05 (95% CI: 1.00, 1.11)の相対リスクに変換される。英国の研究に比べて、われわれの推定値は白血病が小さく、中枢神経系腫瘍が大きい。しかしながら、対応する結果の信頼区画が広く重なりあっているので、たがいの研究に良好な一致が認められる。コホート組み入れ前の住居が一定していた母集団で観測された効果の推計値(表4)は、住居移動を考慮しなかったことが、下向きのバイアスを招く結果になり、両者の研究で相対リスクが過小評価されていたことを示唆している。いささか驚いたことに、われわれの研究で扱った症例数がずっと少なかったにもかかわらず、信頼区画は狭かった。これには理由がいくつかあるのかもしれない。つまり、所定の症例数に対して、われわれのもののようなコホート研究は、症例あたり単一の対照群しか備えない症例対照研究(Little et al. 2010)に比べて、より大きな統計的検出力がある。英国の研究の症例対照ペアとわれわれの研究のリスク群の両者ともに、年齢を適合させ、年齢を条件にしているが、累積線量の変動性はわれわれの研究のほうがかなり大きかった(参考のため、補足資料の表S3を表S4の(Kendall et al. 2013)列を比較してみるとよい)。さらにまた、英国の研究は低い空間分解能を用いて被曝評価をおこなっており、その結果、症例のほとんど半分がその対照群と同じ被曝線量レベルを共有していた。

他にもいくつかの研究が、小児癌と自然ガンマ線または宇宙線による放射線の潜在的相関性を検証するために、個人データを使っていた(Axelson et al. 2002; UKCCS Investigators 2002b)(補足資料の表S4)。英国小児癌研究(UKCCS)は診断時に子どもたちの家で測定した(透過性放射線の宇宙線成分を含む)ガンマ線量率を使った症例対照研究であるが、白血病との相関性を示す証拠は見つからなかった。われわれの研究で認められたように、中枢神経系腫瘍に対する影響推定値は最高被曝線量範疇で高くなったが、信頼区画が広く、1を含んでいた。スウェーデンの症例対照研究は、20歳未満の対象者の急性リンパ性白血病に関して、アラム石膏コンクリートで建造された住宅の居住者をその他の家の居住者と比較して、オッズ比*1.495%信頼区画:1.0, 2.0)になったと報告した(Axelson et al. 2002)。全般的に見て、個人データを使った研究は、自然ガンマ放射線の累積線量によって、急性リンパ性白血病のリスクが増大することを示唆している(補足資料の表S4)。これとは対照的に、中国とインドにおける高レベルのバックグラウンド放射線地域でおこなわれた研究では、小児白血病のリスクが増大している兆候は見つからなかった(Akiba et al. 2002)。
*ある事象の起こりやすさを2つの群で比較して示す統計学的な尺度。

家屋内のラドン被曝について、情報が得られたのは2000年の国勢調査時の分だけであり、家屋内ラドンと小児癌に関するわれわれの最近の研究でも、スイス全国コホート(SNC)内に相関性を示す証拠が見つからなかった(Hauri et al. 2013)ので、補正を施さなかった。英国のKendall et al.による記録にもとづく症例対照研究と英国小児癌研究(UKCCS)でもまた、ラドンによる小児癌の症例増加リスクを示す兆候はほとんど見つからなかった(Kendall et al. 2013; UKCCS Investigators 2002a)。しかしながら、記録にもとづく症例対照研究と大多数の生態学研究が小児癌と家屋内ラドンの正比例関係を報告した(Raaschou-Nielsen 2008; Raaschou-Nielsen et al. 2008; Tong et al. 2012)。

われわれの研究における被曝評価は、子どもたちの住居内の実際の測定というより、地理モデルにもとづいていた。このモデルは国土全域におよぶ高密度の観測網にもとづいているが、入力と校正の方法、測定ミス、積雪や太陽活動などの自然要因による被曝量変動の無視がいくらかの被曝量分類ミスの原因になる可能性がある。線量の計算値は屋外の線量率にもとづいているが、子どもたちはたいがいの時間を屋内で過ごしている。残念ながら、われわれは母集団全員の居住履歴を把握していたわけではなく、累積線量を計算するさい、完璧には住居移動を考慮できたのではなかった。しかしながら、子どもたちの一部(21%)について、2時点の居住地点が判明していた。結果評価はスイス小児癌登録(SCCR)とスイス全国コホート(SNC)の確率的な記録連結にもとづいており、結果の一部が分類ミスに終わった可能性がある。われわれは連結結果にもとづき、われわれはSCCRSNC連結ペアの少なくとも93%は正しく合致していると判断する。この連結結果は、誕生日、性別、誕生時の居住市町村の完璧な一致に鑑み、50m以内の精度で居住地点が合致しているか、あるいはそれよりも信頼しうる類似点が備わっているかのどちらかである。残りのペアの半分が不適合であると仮定すれば、癌であると分類された子どもたちの4%未満は擬陽性ということになる。その逆に、400人を超える症例がSNCに連結されなかった可能性があり、擬陰性にされてしまったと思われる。しかし、これらの症例が連結された症例と放射線被曝に関して異なっていることを示す兆候は見あたらず、連結エラーによる偏り(バイアス)のリスクは小さかったものと思われる。

われわれの研究の大きな強みは、そのコホート設計と全国規模の定式データを使った点にある。コホート設計が一定数の症例に対する統計検出力を最大化しており、外国移住や死亡による追跡終了を考慮に入れている。被曝と結果の評価は両方とも全国を網羅した定式データにもとづいており、基本的に選択バイアスのリスクを排除している。われわれの研究は広範におよぶ潜在的交絡因子を織りこむことができた。さらにまた、われわれの研究は比較的広範な被曝レベルにもとづいている。

バックグラウンド放射線と小児癌に認められた相関性は因果関係、つまり高い線量と線量率の電離放射線が小児癌の病因になるという既知の関係を反映しているのは、妥当なことと思える。白血病と中枢神経系腫瘍といった従来から放射線と結びつけられていた結果の相関性は強かったが、その一方でリンパ腫の場合、そのような結びつきを確証するのが困難であり(UNSCEAR 2006)、相関している証拠は見つからなかった。われわれの解析結果は、一連の潜在的交絡因子による補正の影響を受けなかった。われわれは線量反応の証拠を見つけ、コホート組み入れ前の居住地が一定していた下位コホートの場合、居住移動に伴う被曝分類ミスが少なく、この証拠は最強になった。しかしながら、不正確な被曝量測定にともなう偏りは排除できない。

結論として、われわれの研究はバックグラウンド放射線が子どもたちの癌リスクに寄与している可能性を示唆している。結果は白血病と中枢神経系腫瘍のリスクが同じような影響を受けていることを示唆している。この分野における将来の研究は、被曝評価が改善すれば、大いに益を受けるだろう。

参照文献

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1.外部バックグラウンド放射線の被曝による研究母集団の特性
特性
被曝範疇(nSv/h
Pa
100未満
100150未満
150200未満
200以上

N=806,450
(100.0%)
N=1,146,470
(100.0%)
N=119,245
(100.0%)
N=21,495
(100.0%)

性別
 男
413,816 (51.3)
587,551 (51.2)
61,002 (51.2)
10,980 (51.1)
0.620
 女
392,634 (48.7)
558,919 (48.8)
58,243 (48.8)
10,515 (48.9)

誕生年
1974-79
143,378 (17.8)
206,716 (18.0)
22,720 (19.1)
3,884 (18.1)
<0.001
 1980-84
147,055 (18.2)
210,097 (18.3)
21,658 (18.2)
4,072 (18.9)

 1985-89
171,858 (21.3)
247,084 (21.6)
24,959 (20.9)
4,636 (21.6)

 1990-94
167,075 (20.7)
234,456 (20.5)
24,091 (20.2)
4,398 (20.5)

 1995-2000
177,084 (22.0)
248,117 (21.6)
25,817 (21.7)
4,505 (21.0)

市街地化の程度
 市街地
142,366 (17.7)
335,881 (29.3)
22,915 (19.2)
913 (4.2)
<0.001
 市街地外縁
366,564 (45.5)
526,711 (45.9)
52,251 (43.8)
7,214 (33.6)

 農村地域
297,520 (36.9)
283,878 (24.8)
44,079 (37.0)
13,368 (62.2)

スイス社会経済的地位指標(低い方から順に五分位に分類)
1五分位
210,686 (26.1)
297,632 (26.0)
56,522 (47.4)
11,423 (53.1)
<0.001
2五分位
172,663 (21.4)
227,926 (19.9)
30,711 (25.8)
5,006 (23.3)

3五分位
161,461 (20.0)
214,197 (18.7)
18,456 (15.5)
3,098 (14.4)

4五分位
146,832 (18.2)
209,000 (18.2)
10,398 (8.7)
1,568 (7.3)

5五分位
112,837 (14.0)
194,929 (17.0)
2,687 (2.3)
351 (1.6)

 不詳
1,971 (0.2)
2,786 (0.2)
471 (0.4)
49 (0.2)

世帯主の教育水準(義務教育水準はそれ以下の水準も含む)
 義務教育水準
138,987 (17.2)
210,295 (18.3)
24,486 (20.5)
3,502 (16.3)
<0.001
 中等教育水準
407,213 (50.5)
555,474 (48.5)
64,151 (53.8)
13,056 (60.7)

 高等教育水準
235,179 (29.2)
341,226 (29.8)
27,434 (23.0)
4,390 (20.4)

 不詳
25,071 (3.1)
39,475 (3.4)
3,174 (2.7)
547 (2.5)

1室あたりの居住人数(人)
 0.82未満
297,857 (36.9)
405,454 (35.4)
39,882 (33.4)
7,372 (34.3)
<0.001
0.821.08未満
296,570 (36.8)
417,782 (36.4)
44,575 (37.4)
7,929 (36.9)

 1.08以上
212,023 (26.3)
323,234 (28.2)
34,788 (29.2)
6,194 (28.8)

出生時の体重(三分位、単位:グラムg
 3,152未満
152,649 (18.9)
216,703 (18.9)
24,864 (20.9)
4,945 (23.0)
<0.001
 3,1523,541
152,019 (18.9)
209,712 (18.3)
22,582 (18.9)
4,406 (20.5)

 3,541以上
156,445 (19.4)
212,081 (18.5)
20,558 (17.2)
3,844 (17.9)

 不詳
345,337 (42.8)
507,974 (44.3)
51,241 (43.0)
8,300 (38.6)

誕生順位*3子の項は第4子以下も含む)
 第1
193,045 (23.9)
272,626 (23.8)
29,287 (24.6)
5,581 (26.0)
<0.001
 第2
168,655 (20.9)
233,509 (20.4)
25,130 (21.1)
4,825 (22.4)

 第3*
85,261 (10.6)
109,151 (9.5)
11,207 (9.4)
2,343 (10.9)

 不詳
359,489 (44.6)
531,184 (46.3)
53,621 (45.0)
8,746 (40.7)

直近の高速道路からの距離(単位:メートルm
 100未満
10,756 (1.3)
16,325 (1.4)
1,317 (1.1)
397 (1.8)
<0.001
 100250
28,945 (3.6)
47,372 (4.1)
5,318 (4.5)
1,072 (5.0)

 250500
62,115 (7.7)
97,023 (8.5)
11,792 (9.9)
1,578 (7.3)

 500以上
704,634 (87.4)
985,750 (86.0)
100,818 (84.5)
18,448 (85.8)

高圧送電線からの距離(単位:メートルm
 100未満
6,066 (0.8)
7,198 (0.6)
2,203 (1.8)
588 (2.7)
<0.001
 100250
17,212 (2.1)
19,262 (1.7)
5,536 (4.6)
2,183 (10.2)

 250500
41,979 (5.2)
52,866 (4.6)
11,736 (9.8)
3,281 (15.3)

 500以上
741,193(91.9)
1,067,144(93.1)
99,770 (83.7)
15,443(71.8)

放送発信機の電磁場強度b(単位:ボルト/メートルV/m
 0.05未満
19,804 (89.3)
953,221 (83.1)
87,381 (73.3)
18,990 (88.3)
<0.001
 0.050.2
67,901 (8.4)
142,217 (12.4)
19,705 (16.5)
1,019 (4.7)

 0.2以上
17,390 (2.2)
48,744 (4.3)
11,900 (10.0)
1,454 (6.8)

 不詳
1,355 (0.2)
2,288 (0.2)
259 (0.2)
32 (0.1)

aカイ二乗検定による。bラジオ・テレビ送信機からのモデル化磁場強度。

2.スイス全国コホートにおける小児癌と外部バックグラウンド放射線の線量率の相関性
影響
線量率
症例
発症率a
危険率 (95%信頼区画)b
全癌
<100 nSv/h
100 - <150 nSv/h
659
982
10.56
11.16
1.00c
1.06 (0.96, 1.17)
150 - <200 nSv/h
112
12.32
1.17 (0.96, 1.43)
≥200 nSv/h
29
17.22
1.64 (1.13, 2.37)
白血病
<100 nSv/h
100 - <150 nSv/h
201
288
3.22
3.27
1.00c
1.02 (0.85, 1.22)
150 - <200 nSv/h
30
3.30
1.03 (0.70, 1.51)
≥200 nSv/h
11
6.53
2.04 (1.11, 3.74)
急性リンパ性白血病
<100 nSv/h
100 - <150 nSv/h
158
225
2.53
2.56
1.00c
1.01 (0.82, 1.24)
150 - <200 nSv/h
24
2.64
1.05 (0.68, 1.61)
≥200 nSv/h
9
5.34
2.12 (1.09, 4.16)
リンパ腫
<100 nSv/h
100 - <150 nSv/h
122
186
1.96
2.11
1.00c
1.08 (0.86, 1.36)
150 - <200 nSv/h
17
1.87
0.96 (0.58, 1.59)
≥200 nSv/h
3
1.78
0.91 (0.29, 2.86)
中枢神経系腫瘍
<100 nSv/h
100 - <150 nSv/h
150
239
2.40
2.72
1.00c
1.13 (0.92, 1.39)
150 - <200 nSv/h
26
2.86
1.19 (0.79, 1.81)
≥200 nSv/h
8
4.75
1.99 (0.98, 4.05)
その他の悪性腫瘍
<100 nSv/h
100 - <150 nSv/h
186
269
2.98
3.06
1.00c
1.03 (0.85, 1.24)
150 - <200 nSv/h
39
4.29
1.44 (1.02, 2.04)
≥200 nSv/h
7
4.16
1.39 (0.66, 2.97)
a発症率は100,000あたりの年間リスク
b性別と誕生年で補正したコックス比例ハザード・モデルによる
c対照分類.

3.スイス全国コホートにおける外部放射線量の増加100 nSv/hあたりの小児癌の危険率

全コホート
組み入れ前の住所が一定していた
下位コホートa
影響
危険度 (95%信頼区画)b
P
危険度 (95%信頼区画)b
P
全癌
1.27 (1.06, 1.52)
0.011
1.33 (1.08, 1.62)
0.006
白血病
1.25 (0.90, 1.75)
0.186
1.31 (0.90, 1.92)
0.159
リンパ性白血病
1.23 (0.84, 1.81)
0.278
1.31 (0.86, 2.01)
0.205
リンパ腫
1.06 (0.68, 1.67)
0.788
1.16 (0.70, 1.92)
0.558
中枢神経系腫瘍
1.32 (0.91, 1.91)
0.139
1.42 (0.96, 2.12)
0.081
その他の悪性腫瘍
1.37 (0.98, 1.91)
0.064
1.36 (0.93, 1.98)
0.110
a コホート組み入れ時以前の5年間は同一居住地に住んでいたか、その情報が欠落している場合、誕生時に同じ市町村にいた子どもたち。
b性別と誕生年で補正したコックス比例ハザード・モデルによる

表4.スイス全国コホートにおける累積外部放射線量の増加1 mSvあたりの小児癌の危険率

全コホート
組み入れ前の住居が一定していた
下位コホートa
影響
危険度 (95%信頼区画)b
P
危険度 (95%信頼区画)b
P
全癌
1.028 (1.008, 1.048)
0.006
1.040 (1.017, 1.064)
<0.001
白血病
1.036 (0.997, 1.077)
0.075
1.046 (0.999, 1.096)
0.054
リンパ性白血病
1.037 (0.990, 1.086)
0.124
1.049 (0.994, 1.107)
0.084
リンパ腫
1.007 (0.964, 1.052)
0.746
1.022 (0.973, 1.073)
0.386
中枢神経系腫瘍
1.042 (1.002, 1.084)
0.041
1.060 (1.015, 1.106)
0.008
その他の悪性腫瘍
1.025 (0.989, 1.063)
0.177
1.034 (0.991, 1.078)
0.121
a コホート組み入れ時以前の5年間は同一居住地に住んでいたか、その情報が欠落している場合、誕生時に同じ市町村にいた子どもたち。
b性別と誕生年で補正したコックス比例ハザード・モデルによる。

図1解析対象の小児癌症例のフローチャート



2スイス全国コホートにおける16歳未満の子どもたちの外部電離放射線の線量率による癌の危険率。範疇別に分けた被曝量(各範疇内の平均線量率のx軸に置いた黒点と縦棒〔95%信頼区画〕。各範疇は垂直線で表す)と線形被曝ライン(赤色の線)を使った、性別および誕生年で補正したコックス比例ハザード・モデルの結果。100 nSv/h未満の線量率は、対照分類。

補足資料



S1解析に付された癌症例の特性
特性
事象解析対象者
人(%)
総適格者
人(%)
全症例
1,782 (100.0)
3,502 (100.0)
ICCC3腫瘍診断グループ


白血病、骨髄増殖性疾患、骨髄異形成症
530 (29.7)
1,092 (31.2)
リンパ腫、細網内皮腫瘍
328 (18.4)
474 (13.5)
CNSおよび混合型の頭蓋内および脊椎内の腫瘍
423 (23.7)
775 (22.1)
神経芽細胞腫、その他の末梢神経細胞腫
34 (1.9)
220 (6.3)
網膜芽(細胞)腫
21 (1.2)
95 (2.7)
腎臓腫瘍
55 (3.1)
175 (5.0)
肝腫瘍
14 (0.8)
40 (1.1)
悪性骨腫瘍
127 (7.1)
176 (5.0)
軟部組織膿瘍、骨外性肉腫
123 (6.9)
237 (6.8)
生殖細胞腫瘍、栄養膜腫瘍、生殖腺腫瘍
48 (2.7)
98 (2.8)
その他の悪性上皮腫瘍、悪性黒色腫または不特定の悪性腫瘍
79 (4.4)
111 (3.2)
性別


男子
993 (55.7)
1945 (55.5)
女子
789 (44.3)
1557 (44.5)
年齢中央値(IQR
10.0 (6.0, 13.2)
6.2 (2.7, 11.8)
ICCC:国際小児癌分類・第3版(Steliarova-Foucher et al. 2005)、IQR:四分位範囲、CNS:中枢神経系

S2スイス全国コホート組み入れ前の居住地が一定であった子どもたちにおける小児癌と外部放射線の線量率の相関性
線量率
症例数
発症率b
危険率(98%信頼区画)c
全癌
100 nSv/h未満
470
11.24
1.00d
100150 nSv/h未満
726
12.22
1.09 (0.97, 1.22)
150200 nSv/h未満
89
13.94
1.24 (0.99, 1.56)
200 nSv/h以上
26
20.33
1.82 (1.23, 2.70)
白血病
100 nSv/h未満
141
3.37
1.00d
100150 nSv/h未満
210
3.54
1.05 (0.84, 1.29)
150200 nSv/h未満
22
3.45
1.03 (0.66, 1.61)
200 nSv/h以上
9
7.04
2.13 (1.09, 4.18)
急性リンパ性白血病
100 nSv/h未満
112
2.68
1.00d
100150 nSv/h未満
169
2.85
1.06 (0.83, 1.34)
150200 nSv/h未満
19
2.98
1.12 (0.69, 1.82)
200 nSv/h以上
7
5.47
2.09 (0.98, 4.50)
リンパ腫
100 nSv/h未満
84
2.01
1.00d
100150 nSv/h未満
131
2.21
1.10 (0.84, 1.45)
150200 nSv/h未満
14
2.19
1.09 (0.62, 1.92)
200 nSv/h以上
3
2.35
1.15 (0.36, 3.65)
中枢神経系腫瘍
100 nSv/h未満
111
2.65
1.00d
100150 nSv/h未満
185
3.11
1.17 (0.93, 1.49)
150200 nSv/h未満
21
3.29
1.24 (0.78, 1.97)
200 nSv/h以上
8
6.26
2.37 (1.16, 4.86)
その他の悪性腫瘍
100 nSv/h未満
134
3.20
1.00d
100150 nSv/h未満
200
3.37
1.05 (0.84, 1.31)
150200 nSv/h未満
32
5.01
1.57 (1.07, 2.31)
200 nSv/h以上
6
4.69
1.47 (0.65, 3.33)
a コホート組み入れ時以前の5年間は同一居住地に住んでいたか、その情報が欠落している場合、誕生時に同じ市町村にいた子どもたち。
b 100,000人・年あたりの発症率
c 性別と誕生年で補正したコックス平均ハザード・モデル
d 対照分類

S3スイス全国コホートの組み入れ症例対照サンプルにおける外部電離放射線の累積線量範疇別および年齢別の観察対象人数の分布


S4個人レベル・データを用いた小児癌とバックグラウンド・ガンマ放射線に関する研究の要覧
研究
(Axelson et al. 2002)
(UKCCS Investigators 2002)
(Kendall et al. 2013)
今回の研究
設計
症例対照
症例対照
記録にもとづく症例対照
国勢調査にもとづくコホート
スウェーデン
英国
英国
スイス
年齢
20歳未満
15歳未満
15歳未満
16歳未満
診断の時期
1980-1989
1991-1996
1980-2006
1990-2008
症例数
312a
2,165
27,447
1,782
放射線のタイプ
ビル壁からのガンマ放射線
屋内の地殻放射線と
宇宙線c
屋内の地殻放射線と
宇宙線c
屋外の地殻放射線と
宇宙線c
被曝線量評価
アラム頁岩コンクリート住宅内
子供の家のなかで測定
行政区内の平均線量率
地理モデル
被曝時期
居住履歴全期
診断時
誕生時
1990年国勢調査時。2000年国勢調査時に更新
ALL
線量率:RR (95% CI)
アラム頁岩住宅居住履歴有りvs無し
1.4 (CI 1.0, 2.0)
<5650.3 µGy/y: Ref. 650.3–5798.5 µGy/y: 1.00 (0.72, 1.40) 798.5–5916.2 µGy/y: 1.20 (0.85, 1.68) 916.2–41045.3 µGy/y: 0.96 (0.67, 1.37)≥1045.3 µGy/y:
0.93 (0.65, 1.33)

100 nSv/hあたり
1.23 (0.84, 1.81)
ALL
累積線量:
RR (95% CI)
無し:対照区
低:1.3 (0.84, 2.1)
高:1.5 (0.98, 2.3)

mGyあたり
1.10 (1.02, 1.19)
mSvあたり
1.04 (1.00, 1.09)
ALL:急性リンパ性白血病、CI:信頼区画、RR:相対リスク、UKCCS:英国小児癌研究。
a 急性リンパ性白血病のみを含む。
b ガンマ放射線量が、アラム頁岩コンクリート住宅の屋内で300 nSv/h、その他の住宅の屋内で100 nSv/hと想定。
c 地殻ガンマ放射線および宇宙線の直接電離成分。

Density:密度、Dose rate [nSv/h]:線量率[ナノシーベルト/時])
S1スイス全国コホートの子どもたちが被曝した(A)全線源からの合計、(B)宇宙線、(C)自然地殻、(D)人為的地殻放射線に由来する線量率の分布

S2.潜在的交絡因子による補正の危険率に対する効果。コックス比例ハザード回帰の結果。モデル1:性別および誕生年による補正。モデル2:直近の高速道路からの距離、地理モデルにもとづいて予測される放送発信機の地場の強度、直近の高圧送電線からの距離、市町村の市街地化の程度、地域の社会経済的地位(Panczak et al. 2012)、世帯主の教育レベル、居住密度による追加的な補正。モデル3:上記のすべてと誕生年および誕生順位による補正。

参照文献

Axelson O, Fredrikson M, Akerblom G, Hardell L. 2002. Leukemia in childhood and adolescence and exposure to ionizing radiation in homes built from uranium-containing alum shale concrete. Epidemiology 13:146-150.

Kendall GM, Little MP, Wakeford R, Bunch KJ, Miles JC, Vincent TJ, et al. 2013. A recordbased case-control study of natural background radiation and the incidence of childhood leukaemia and other cancers in Great Britain during 1980-2006. Leukemia 27:3-9.

Panczak R, Galobardes B, Voorpostel M, Spoerri A, Zwahlen M, Egger M, et al. 2012. A Swiss neighbourhood index of socioeconomic position: development and association with mortality. J Epidemiol Community Health 66:1129-1136.

Steliarova-Foucher E, Stiller C, Lacour B, Kaatsch P. 2005. International Classification of Childhood Cancer, third edition. Cancer 103:1457-1467.

UKCCS Investigators. 2002. The United Kingdom Childhood Cancer Study (UKCCS) of exposure to domestic sources of ionising radiation: 2: gamma radiation. Br J Cancer 86:1727- 1731.

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