2014年3月23日日曜日

【スミソニアン誌】チェルノブイリ27年後のいまも森林に放射能(フクシマでも…)

チェルノブイリ27年後のいまも森林に放射能(フクシマでも…)
27 Years Later, Radiation Still Hides Out in Chernobyl’s Trees (Fukushima’s Too)
樹のなかに封じこめられたチェルノブイリの放射能が森林火災で再放出の恐れ
コリン・シュルツ Colin Schultz
smithsonianmag.com
2013
628
Photo: Timm Suess
凡例:(原注)[訳注]
1986426日のチェルノブイリ原発メルトダウンは、東ヨーロッパの58,000平方マイル[150,200平方キロメートル]にわたって放射性物質を撒き散らした。破壊された原発を中心に半径18マイル圏内[約29キロメートル、通常「30キロ圏」と呼び習わす]は、当局によってチェルノブイリ立入禁止区域――何人も居住していないとされる地域――に指定された(それでも暮らしている人がいるのはもちろんだが)。サイエンティフィック・アメリカン記事によれば、事故が起こってから幾歳月もの時を経たいまでも、放射能は廃物となった原発の周辺の広大な地域に残存したままである――そして、いつ環境中に再放出されても、おかしくない。
チェルノブイリ周辺の森林では、木樹が放射性降下物の一部を吸収した。雨によって空気中から洗い落とされた放射性核種は、木樹に吸収され、長期間にわたり貯蔵されている。サイエンティフィック・アメリカン記事によれば、森林火災が発生して、この放射能が環境中に再放出されるおそれがある。
閉鎖された原発の周辺にある森林は、1986年の炉心爆発が残した汚染物質を吸収してきた。いま気候変動と管理の不行き届きのため、厄介な難局が差し迫っている。ドイツ、スコットランド、ウクライナ、米国の科学者らが実施した「チェルノブイリ立ち入り禁止区域における森林火災の人間の健康に対する影響」に関する分析によれば、こうした森林が炎上すると、ストロンチウム90、セシウム137、プルトニウム、その他の放射性核種が放出される。
最近の研究によれば、フクシマ第1原発周辺でも同じことが起こりうる。同地では、木樹が放射性セシウムおよびヨウ素を吸収し、樹冠部に蓄積している。同研究によれば、樹木中の放射能の「半減期」は2年程度であり、すなわち放射能蓄積量は2年ごとに半減する。
さて、樹木が放射能に地域内残存能力を付与していることになる。だが、真の問題として、そのような放出はどれほど危惧すべきことなのか?
最近のWHO[世界保健機関]報告によれば、フクシマ事故当初の放射能拡散ですら、大した問題を引き起こすほどのものでないという。サイエンティフィック・アメリカン記事によれば、チェルノブイリの森林が炎上すれば、風下居住民の発癌リスクが低率ながら上昇しかねない。それはそうとしても、放射能と化した樹木のため、火災と戦う消防士の元より危険な職務は、さらに危険になるだろう。
【筆者】 Colin Schultz
コリン・シュルツは、カナダ、トロント在住のフリーランス科学記者・編集者。Smart Newsに記事を執筆、アメリカ地球物理組合に投稿。物理学および哲学の学士、ジャーナリズム修士。



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